「老人とカメラ」2024年01月22日

昨春、三度目の定年で晴れて浪々の身になったのを機に自室、寝室、クローゼットに積まれた本を処分して、本棚に納まるだけを残した。写真家の本、写真集は極力処分を避けた。その中の一冊、赤瀬川原平さんの「老人とカメラ 散歩の愉しみ」を読み返している。
「まえがき」は、【引用開始】「写真は趣味に限る。好きで撮るのがいちばんである。ぼくはカメラが好きで、シャッターを押すのが好きだ。でもせっかくだからと中にフィルムを入れてシャッターを押すと、写真が撮れる。」【引用終了】で始まる。これを読んで嬉しくなったのを思い出した。
ただ、それから四半世紀経つけど、この心境には至っていない。カメラが好きだけど感性を持ち合わせていない者の難敵は自己嫌悪だ。期待してはいけないことはわかっている。勘違いが失望につながることもわかっている。だけど、『♪ わかっちゃいるけどやめられない』のが写真だ。なので、自己嫌悪と開き直りの繰り返しになる。

コメント

トラックバック